給与が低く生活が厳しい
介護現場で最も多く聞かれる悩みが、業務の過酷さや責任の重さと、支給される給与が見合っていないという点です。介護職は利用者の排泄や入浴の介助といった肉体労働に加え、誤嚥や転倒などを防ぐための高度な注意力が常に求められます。しかし、これほどまでに心身を酷使する仕事でありながら、ほかの産業と比較して平均給与が低い傾向にあるのが現状です。特に、毎月の基本給が低く抑えられており、夜勤に入らなければ十分な収入が得られないという声も少なくありません。身体的な負担を減らしたくても、生活のために無理をして夜勤の回数を増やさざるを得ないという悪循環に陥っている人もいます。また、介護福祉士などの国家資格を取得しても、資格手当が数千円程度にとどまるなど、専門性が正当に評価されていないと感じることも、将来への希望を失わせる一因となっています。
休暇が取りにくく福利厚生が不十分
給与だけでなく、休み方や福利厚生といった働きやすさに関する悩みも深刻です。人手不足が深刻な施設では、職員一人ひとりの負担が重くなり、有給休暇を取得したくても周りに申し訳ないという心理的な圧力が働いて言い出せない状況がよく見られます。本来、リフレッシュのためにあるはずの休暇が名ばかりになっていたり、体調を崩した時ですら無理をして出勤しなければならなかったりする環境では、長く働き続けることは困難です。また、福利厚生の内容が乏しく、退職金制度がなかったり、住宅手当や扶養手当などが一切支給されなかったりするケースもあります。こうした環境では、結婚や出産といったライフイベントを迎えた際に、今の職場では生活を維持できないという不安が現実的なものとなります。安心して長く勤められる制度が整っていないことは、介護職員にとって給与の低さと同じくらい大きなストレスとなるのです。
雇用形態による待遇格差
介護現場では、正社員、契約社員、パート、派遣社員など、さまざまな雇用形態のスタッフが共に働いています。しかし、同じ現場で同じような業務をこなしていても、雇用形態の違いによって生じる待遇の差に納得がいかないという悩みも根強く存在します。たとえば、パート職員として責任ある業務を任されているのに賞与が一切支給されなかったり、逆に正社員というだけでサービス残業や過度な責任を押しつけられたりと、それぞれの立場で不満が溜まりやすい構造があります。特に、特定の人に仕事が集中してしまうような環境では、不公平感が強まりやすく、職場全体のチームワークにも悪影響を及ぼします。雇用形態に関わらず、それぞれの貢献が適正に評価され、納得感を持って働ける環境は理想的ですが、現実はそうなっていない施設も少なくありません。自分の働き方に見合った待遇が得られないと感じる日々が続くと、仕事への意欲を維持するのは非常に難しくなります。
